ミュージシャンが作りだしたアルターエゴ(別人格)|ヒップホップ編

コラム

みなさん調子どうですか、こんにちはです。

この記事では、ミュージシャンが自らの別人格として作りだした、アルター(Alter Ego)について紹介するとともに、ロックの歴史において、最も有名なアルターエゴを5人、解説していきます。

▶︎ロック編とポップスター編あるので、そちらと合わせてぜひご覧ください。

アルターエゴ(Alter Ego)とは?

アルターエゴは君の中にもある

ミュージシャンが意図的に作りだした、自分自身の中にある別人格やキャラクターのことをアルターエゴと言います。難しいと思うかもしれませんが、そのカラクリは案外単純、と言うかみなさんの日常生活にも似たようなものがあるはずです。

例えば、会社勤めのサラリーマン。彼らは会社ではスーツをビシッと決めて、しっかりとした社会人としての言葉を使い、もしその人の役職が高いのなら、部下には歯を見せないなどの堅いイメージを持たれているかもしれません。しかし、家に帰れば家族がいて、妻には夫として(笑顔のない夫なんて嫌なはずだ)求められる振る舞いをし、もし子どもがいるならば、敬語など使わずフランクに、そして時には口元が緩んでしまうかもしれません(子どもが可愛ければ)。

このように人が日常生活を送る上で、場面やコミュニティによって、あたかも人格が変わったかのように自分自身を使い分けるのは、よくあることではないでしょうか。

あなたが学生の頃、厳しい先生と緩い先生を見分けて、タイプによって対応を変えることはよくあったことでしょう。それが道徳的にどうかという話は一旦は置いておいて、自分の人格を変えるように場面によって自分自身を使い分けることは、人が社会生活を営む中でより良く生きるための方策と言えます。

ミュージシャンは音楽産業に身を置く中で、それらと同じように自分自身を使い分けることをしていて、それがアルターエゴと特別なラベリングをされているに過ぎません。ミュージシャンがアルターエゴを表出させる理由には、「個人としての自分とダークサイドの自分を分けるため」、「スターとしての自分と距離を置き、個人としてのプライベートを守るため」、「楽曲やアルバムのコンセプトとして」など、様々な理由があります。が、いづれにしても彼らのアルターエゴは、往々にして音楽をより際立たせるものとして機能しています

ヒップホップにおけるアルターエゴ

ヒップホップにおけるアルターエゴとは、まさに自分自身の「別人格」、自分自身に内在する感情や性質を表出させるようなものになっています。時にそのアルターエゴは、自分自身とは正反対の人格であり、そのアルターエゴに自分自身が苦しめられたりすることもあれば、時には自分自身をよりエンパワーメントするような人格として、より過激にうまく物事をやり遂げたりします。

ヒップホップにおいてアルターエゴが作られることはかなり一般的なことです。アルバムや楽曲の中で自分自身とアルターエゴとの相克が描かれることも多く、そのストーリー性がヒップホップの一つの大きな魅力と言えるでしょう。

 

ヒップホップにおける有名なアルターエゴ

エミネム:”スリムシェイディ”

エミネムがトイレに行った際に突然思いついたと言われているのが、このアルターエゴ、”スリムシェイディ”です。ヒップホップにおいてこれほど有名なアルターエゴはいないかもしれません。エミネム本人ではない、彼の過激で暴力的なダークサイドが表出した人格として知られています。

スリムシェイディが楽曲中で蹴るバースには、時には現実とフィクションの境界が非常に曖昧なものもいくらかあります。彼の凶暴すぎる発言の数々は様々な賛否両論を巻き起こし、その一部は訴訟沙汰にまで発展してしまっています(さらにその訴訟の一つは実の母によって起こされた)。

ケンドリック・ラマー:”K-Dot”

今やアメリカのヒップホップにおける大スターとなったケンドリックラマー。彼は下に紹介する伝説的なラッパー、2Pacを敬愛している、カリフォルニア州コンプトン出身のラッパーです。

K-Dotはもともと彼のステージ名として使われており、他のラッパーとの客演でもK-Dot名義で出てくることもありました。しかし、彼のケンドリックラマーとしてのセカンドアルバム、“Good Kid M.a.a.d City”では、彼の2つ目の人格(=アルターエゴ)として出現します。

このアルバムタイトルからもわかるように、ケンドリックラマーはイかれた街(=M.a.a.d City、コンプトンはアメリカきってのスラム )で生きる、模範的な少年(=Good Kid)です。そんな環境の中で常にドラッグ、アルコール、銃といった誘惑にかられ続け、幾度となく善良な心を忘れかけてしまいます。この人格はそういった、彼のダークサイドを表したアルターエゴになっています。

2Pac:”マキャベリ”

現在でも数多くのラッパーにリスペクトされ続けている、伝説的なラッパーです。彼は中世ルネサンスの思想家、「君主論」で知られるニッコロ・マキャベリに影響を受け、この名前をいただき自分のアルターエゴとし、アルバムまでリリースしました。

しかしアルバムが完成するとすぐに、彼は射殺という悲劇的な死を遂げることになります。

ニッキー・ミナージュ:”ハラジュク・バービー”

ヒップホップ系の女性ミュージシャンなら、ニッキーミナージュはかなりオススメです。彼女の最も有名なアルターエゴとして知られるハラジュクバービー(ネーミングセンス…)は、彼女のガーリーな雰囲気をより引き出し、ピンクが大好きなキャラクターとして知られています。ちなみにこのアルターエゴはニューヨークのクイーンズ地区出身、という設定です(謎)。

ちなみに彼女は他にも10人以上のアルターエゴを持っていますが、そのほとんどはガチガチのファンでもない限り全てを覚える必要はないでしょう。ですが、ロマンゾランスキはハラジュクバービーと並んで有名なので知っておいてもいいかもしれません。ちなみにロマンゾランスキはイギリスのイングランド出身で、ホモの男という設定です。人格ごとに出身地が違ったり、性別が違ったり、もう我々の理解の範疇を超えてます。さすがです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました