アークティックモンキーズのおすすめ曲|00年代UKロックの定番

Arctic Monkeysとは?

Arctic Monkeys(アークティックモンキーズ)は、イギリス出身のインディーロックバンドです。2000年代の初めにデビューしたバンドで、いわゆるアメリカのWhite Stripes(ホワイトストライプス)やThe Strokes(ストロークス)らと同様に、ガレージロックリバイバルと呼ばれるムーブメントの旗手として、世界的に知られています。

ガレージロックリバイバルとは、60年代に台頭したリフ主体のシンプルなバンドスタイルを復権するために起きたムーブメントで、当時、隆盛を極めていたR&Bやヒップホップに対するカウンターとして、イギリスなどの音楽メディアがこぞって持ち上げていました。

また、彼らは本国のイギリスにおいて特に絶大な人気を誇り、いわゆる90年代におけるOasis(オアシス)のように、00年代においてはArctic Monkeysがイギリスの象徴的なロックバンドとして広く認識されています

記事公開時点で彼らは6枚のスタジオアルバムをリリースしており、そのキャリアの中でマーキュリー賞やブリットアワードなどの様々な賞にノミネートされ、イギリスのロックバンドとして完璧と呼ぶに相応しい成功の道を歩み続けました。

既にデビューから10年以上の時が経ち、とりわけフロントマンのAlex Turner(アレックスターナー)はデビュー当時こそ、ビートルズのPaul McCarthey(ポールマッカートニー)を思わせるような(少し猿よりの)ベビーフェイスでしたが、今では、リーゼントにサングラスのかなりイカつい雰囲気に変わっています。

この記事では彼らの6枚のスタジオアルバムを軸にして、それぞれからおすすめの曲を紹介していこうと思います。各アルバムのサマリーのような文章もあるので、その当時の全体的な雰囲気を掴んでいただければと思います。

 

アルバム別おすすめ曲

“Whatever People~”

彼らがインターネット上に公開したデモ音源が話題を呼び、すぐさまイギリスの著名なインディーズレーベル”Domino Records”(ドミノレコーズ)と契約を交わしました。そして急ピッチでリリースされたこのデビューアルバムはUKのチャートで初登場1位を記録し、初週の売り上げは36万枚にも登り、当時のイギリスにおける最速売り上げ記録を更新しました。最終的にデビューアルバムはミリオンを達成し、デビューしたてのインディーバンドとしては異例の成功を収めるに至りました。

ちなみに、アルバムジャケットのタバコを吸った男性はメンバーの友人で、この写真の使用料はノーギャラだそうです。

“I Bet You Look Good On The Dance Floor”

タイトルが長いところに何かUKロックを感じますね。サウンドとしてはシンプルなロックバンドのスタイルながら、Franz Ferdinand(フランツフェルディナンド)のような踊れるダンサブルなロックソングに仕上がっています。この踊れるバンドサウンドというのも、当時のロックシーンの特徴かもしれませんね。

“Mardy Bum”

特にシングルでリリースされた訳ではありませんが、個人的なおすすめとして紹介させていただきます。アルバムの中ではかなり聴きやすい、アレックスターナーのポップセンスが光る良曲です。

“When The Sun Goes Down”

このアルバムからのシングルカットで、”I Bet You Look~”に続いてUKシングルチャートでナンバーワンを獲得しました。シェフィールドにあるニープセンドという町の、売春について歌った暗いテーマの曲です。アレックスターナーのしゃがれた声とシンプルなクリーンのギターサウンドから始まり、一気に歪んだリフが入ってくる素晴らしいイントロは、未だにこの楽曲をアンセムたらしめる所以でしょう。

印象的なMVは、Paul Fraser(ポールフレイザー)のショートフィルムである”Scumy Man”(スカミーマン)を使用しています。

“Certain Romance”

フロントマンのアレックスターナーによる、捻くれていてかつシニカルな歌詞世界の魅力が詰まっている名曲です。”コンバースやジャージを来ている連中にロマンスはない“と言い切ってしまう彼の気持ち、”他とは違う“ということにこだわりがちな若い中高生には、大きく共感できる部分があるのではないでしょうか。

彼の瑞々しい若さが感じられる、まさにロックの初期衝動が詰まった曲ですね。

 

“Favorite Worst Nightmare”

前作とはスタイルが一変してリスナーを驚かせたセカンドアルバムです。より速くよりヘヴィーになりました。このアルバムにおけるAlex TurnerのボーカルはThe Smith(スミス)のMorissy(モリッシー)に影響を受けたそうです。また、古い映画音楽のサウンドトラックもこのアルバムのインスピレーションとなり、例えばアルバムの最後の曲である”505“ではエンニオモリコーネ(イタリアの映画音楽家、西部劇の音楽を多く手がける)の楽曲がサンプリングされています。

“Brianstorm”

まるで大人になることを拒否するかのような激しい幕開けです。多くのファンが期待していたのは、前作同様の随所にUKらしいポップネスを感じさせるようなミドルテンポのロックソングだったでしょうが、それに対して意図的かとも思えるような真逆の方向へ進んでいきました。アレックスターナー曰く、”このバンドはこういう音楽だと決めつけたがる奴っているよな”と、”常に変わらない”ことを最上とする典型的なファンを皮肉っています。彼らの尖りを感じられる楽曲ですね。

“Fluorescent Adolescent “

UKシングルチャートで5位まで到達したこのアルバムのシングルカットです。

 

“Humbug”

2008年の夏から2009年のはじめにかけて、ツアーの綿密なスケジュールの合間を縫ってレコーディングされました。このアルバムではスライドギターや新たなギターエフェクトなど、以前まではレコーディングに使われたことのなかった楽器を多数使用しています。

またこのアルバムから、ヒットして有名になったことからくる「異常な期待」のようなものから逃げるかのように、地元のイギリスを飛び出し、ほぼ全ての曲をアメリカのLAとニューヨークでレコーディングしました。先ほども書いたように、今ではフロントマンがリーゼント姿になって、まるでアメリカ人のように振舞っている(オアシスのギャラガー兄弟のどちらかもこのことについて口撃していましたね笑)みたいですが、この頃から”UKロック然”とした態度やイメージから離れるようになったのかもしれません。

“My Propeller”

ミュージックヴィデオがかっこいいですね。

“Cornerstone”

ロン毛の頃のAlex Turner懐かしいな、と思いました。

 

“Suck It And See”

“試してみなよ”という不遜なタイトルのこのアルバムは、彼らの4作目に当たるスタジオアルバムです。前々作と前作が奇しくも(当時の)リスナーの理解を得ることができなかったため、結果的にこのアルバムに対する期待値は下がっていました、しかしそれは彼らにとっても好都合で、シンプルに何の重圧も無い、肩の荷が下りた状態でレコーディングすることができたようです。

今までの、重心の低めなロックサウンドは鳴りを潜めて、誰もが理解できるポップセンスを内容したメロウな曲が中心となっています。余談にはなりますが、このアルバムのジャケットがThe Beatlesの”White Album”に酷似しているのはただの偶然でしょうか。偶然ですね笑。

“Suck It And See”

グループのドラマーであるMatt Helder(マッドヘルダー)が主人公を務めるミュージックヴィデオは、アメリカのバイカーやその周辺のカルチャーを描いたものです。

このヴィデオのストーリーはそのまま次に紹介する”Black Treacle”に続き、彼らの次のアルバムに収録されている”R U Mine?”にも関係していると思われます。

“Black Treacle”

前の”Suck It And See”に続く曲です。

 

“AM”

2013年にリリースされた、彼らの5作目に当たるスタジオアルバムです。ファーストアルバムの評価をなかなか抜け出すことができないというのは、昨今のロックバンドの(というか多くのミュージシャン)あるあるみたいなもので彼らもそのジンクスに陥っていましたが、ようやく(?)このアルバムあたりで、おおむねファーストのパブリックイメージから脱却し、大人になって成長した(笑)彼らに対する、好意的な評価が多くなってきたように感じます。

彼らはこのアルバムでルーツとも言えるロックンロールをよりヘヴィーに鳴らし、そこにアメリカ産のDr.Dre(ドクタードレ)に代表される、ヒップホップサウンドのエッセンスを取り入れました。このアルバムに収録されている”R U Mine?”がアルバムの方針を決定づけた曲であり、全体的に、メロディアスなポップソングというよりも、よりビート感の強いリズム重視の曲が中心を担っています。

タイトルの”AM”は60年代のロックバンドである、Velvet Underground(ヴェルヴェットアンダーグラウンド)のコンピレーションアルバム”VU”からインスパイアされて命名されたそうです

 

“Do I Wanna Know”

このアルバムのオープニングナンバーです。YouTubeの再生回数が5億回以上ととんでもないことになっています。また、グラミー賞にもノミネートされるなど、このアルバムは彼らのキャリアにおいて最もアメリカに受け入れられたアルバム、と言って良いかもしれません。

ダウンテンポな曲ですが、終盤に差しかかってくるあたりからの盛り上がりようには、サイケデリックな雰囲気をも感じさせますね。心電図を模したようなMVも楽曲のシンプルなヘヴィネスにマッチしています。

“Why’d You Only Call Me When You’re High?”

■曲がスタートするのは1:35〜です。■

アルバムの中においてもとりわけ、ファンクやR&Bなどの影響をうかがわせるブラックミュージック色の強い楽曲に仕上がっています。

“なんでハイになってる時だけしか電話しないの?”というタイトルのこの曲、男女のすれ違い的な意味合いですが、要するに「酔っ払っている時の思いつきはロクなことでは無い」という戒めですね。サウンドに重きを置いた曲なので、演奏に注目してほしいとメンバーは語っています。

“Arabella”

彼らがライブ中に演奏していた、Black Sabbath(ブラックサバス)の”War Pigs“(ウォーピッグス)のリフに着想を得た曲です。確かにこの2曲はギターに似ている点がありますね。

 

“Tranquility Base Hotel & Casino”

記事公開時点での彼らの最新となるアルバムで、6作目のスタジオアルバムに当たります。バンドという形式を守りつつも、鍵盤を主軸に置いた環境でレコーディングが行われました。しかしながら、前作などに比べて聴きやすいかと言われるとそうではなく、どれもいい意味で渋めの曲が多く、バンドとしての成熟は十分に感じさせるが誰もが聴いて楽しめるようなポップネスはあまりないと感じました。良くも悪くも、インディーズでオルタナティブなロックを鳴らしているという印象です。いわゆる「スルメ盤」ってやつで、噛めば噛むほど(聴き込むほど)良さがわかってくるタイプのアルバムではないでしょうか。

“Star Treatment”

このアルバムのオープニングナンバーです。バンドである必要あるのか?と一瞬思ってしまうようなアンサンブルですが、Alex Turnerのセンスがしっかりと出ていている良曲です。

このアルバムは、前作がアメリカのLAでほとんどレコーディングされたのに対して、ロンドンやパリなど様々な都市のスタジオでレコーディングされました。プロデュースは2作目以降から全てのアルバムを手がけている、Simian Mobile Disco(シミアンモバイルディスコ)とAlex Turnerによる共同プロデュースです。

“Four Out Of Five”

このアルバムのシングルカット曲です。Devid Bowie(デヴィッドボウイ)に代表されるグラミロックに影響を受けた曲です。MVを見ると流石にみなさん老けてきてますね(笑)もう若さとフレッシュさで売り込む時期はとっくに過ぎたのだと改めて実感します。

 

終わりに

いかがでしたでしょうか、今ではインディーロックシーンのみならず、00年代を象徴する代表的なロックバンドとして知られているArctic Monkeysの紹介でした。

どちらかといえばファンからの評価がアルバムによって極端に別れ、賛否両論を巻き起こすことの多いバンドではありますが、どのアルバムでも一貫してギターロックというスタイルは守り続け、そこが彼らの大きな魅力のひとつでもあると思います。結論、やっぱりロックバンドってかっこいいなぁってつくづく感じますね。もうバンドという形態自体が若干古臭いみたいな雰囲気すらありますが、またUKでもUSでもいいから、世界的な大ヒットバンドが生まれたら楽しそうです。

また彼らが人気を博した00年代には、同様のギターロックを鳴らしている素晴らしいロックバンドがたくさんいますので、いつか機会があれば記事にして紹介したいと思います。

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