ジェイミーXXのオススメ曲|最先端のUKメランコリック

Jamie XX(ジェイミー・XX)とは?

少し変わった名前のこのミュージシャンを、ご存知でしょうか?

元々は、The XX(これもまた変わったグループ名ですね)という、2005年に結成されたロンドンのグループのメンバーです。彼らは現在も精力的に活動していますが、Jamie XX自身のソロ活動が2010年くらいを境に本格化していくようになりました。

The XXについては、本記事のメインではないのであまり詳しくは記述しません。彼らは2005年の結成以来UKの最重要バンドと認識されていて、2017年には3枚目のアルバムがリリースされ、ヨーロッパからアメリカまで様々な賞にノミネートされるなど、今現在でもかなり勢いのあるグループである、ということだけは書いておきましょう。

そんなグループのメンバーであるJamie XX(本名Jamie Smith ジェイミースミス)は、DJ、プロデューサーとしての手腕をいち早くアメリカにキャッチアップされると、2010年には”NY Is Killing Me”のリリースを皮切りに、Jamie XX自身のソロワークが注目を集めるようになってきました。

そんな彼の楽曲、リミックスやプロデュースワークについて、焦点を当てていきたいと思います。

 

オススメの曲4選

 “I Know There’s Gonna Be (Good Time)”

Young Thug(ヤングサグ)やPopcaaan(ポップカーン)といった、アメリカの人気ラッパーをフィーチャリングしてリリースされたこの楽曲は、彼の2枚目のアルバム(オリジナルとしては実質1枚目)におけるリードシングルとしてリリースされました。

ビートやパーカッションといった、リズムの部分には彼らしいサウンドを感じられますが、やはり歌モノで、それもヒップホップという異色のジャンルに接近したとなると、今までとはかなり感触の異なった楽曲に仕上がっていますね。ちなみに、この曲が収録されているフルレングスのオリジナルアルバム、”In Color”は、メディアの評価とセールスの結果という両面において成功を収めました。

“Sleep Sound”

特に注目してほしいのは、このミュージックビデオです。よく見ると、耳に補聴器を装着している子供たちが踊っていますね。もちろんこれは本物で、この映像はマンチェスターにある、聴覚障害者施設で撮影されたものです。

ここまでで紹介した2曲は、どれも彼のアルバム”In Color”で聴けるものですが、Jamie XX自身が一体どんな音楽を作ろうとしているのか、どのようなジャンルを志向していたのか、いまいち判然としないところがあります。ハウスっぽいダンスミュージックであり、メロディとして聴かせる音楽にも受け取れ、またUKらしく、どこか陰鬱としてメランコリックな雰囲気もありながら、と同時に、とてつもない高揚感も感じられます。この混沌とした音楽性こそ、彼の本性なのかもしれませんね

“All Under One Roof Raving”

“I Know There’s Gonna Be”などと比べると、間違いなくポップミュージックとしての趣は減りましたが、このサウンドこそがThe XXというバンドのブレーン的役割を担う、彼の真骨頂と言えるのではないでしょうか。

この曲はリリースされてから瞬く間に話題になり、クラブアンセムとなりました。Jamie XXはこの曲を製作中、何度もイギリスにある自分の地元が恋しくなってしまったそうです。確かにそんなメランコリックな感覚もこの曲に内包されている気がします。ちなみに、この曲に大きなインスパイアを与えたのは、Mark Leckey(マークレッキー)による”Fiorucci made me Hardcore“という楽曲だそうです。彼はイギリス出身の現代芸術家で、芸術家に送られるターナー賞という権威ある賞を受賞しているほどの、有名人です。

“Far Nearer”

この曲は最初に紹介した2曲とは違い、彼のアルバム、”In Color”には収録されていません。出来が悪かったからボツになった、というわけでは断じてなく、スティールパンと呼ばれる伝統的な楽器や、カリビアン調のリズムを、見事に彼自身の音楽性へと落とし込んでいる佳曲です。

Janet Jackson(ジャネットジャクソン)の楽曲をセンス良くサンプリングしているのも、見逃せないポイントです。彼のソロワーク全体に言えることですが、本当にサンプリングセンスが突出しています。またこのシングルと同じく、”Beat For“という楽曲もリリースされましたが、こちらはハードなベースラインが特徴的な、ポストダブステップ感のある楽曲に仕上がっています。

 

リミックスワークもカッコいい

“NY Is Killing Me”

2010年にリリースされた、この”NY Is Killing Me”(ニューヨークイズキリングミー)が、彼のキャリアにおける転換点となったのは間違いないでしょう。アメリカの詩人であり、”黒いボブディラン”の異名を持つGil Scott-Heron(ギルスコットヘロン)の楽曲をリミックスしたものです。

この楽曲を皮切りに、ギルスコットヘロンの”I’m New Here”(アイムニューヒア)に収録されている13曲を全て、まるっとリミックスして、”We’re New Here”(ウィアーニューヒア)と題したリミックスアルバム兼Jamie XXの初のソロアルバムが、彼の所属するXLレコーディングスからリリースさることとなりました。

センスの良いサンプリングや原曲と比較するとかなりエレクトロニカの要素が色濃くなっていることから、彼らしいサウンドが随所に散見されます。何はともあれ、ここから彼のソロキャリアがスタートしたわけです。

“Rolling In The Deep”

同じくUK出身であり、世界的な人気を誇るAdele(アデル)の楽曲をリミックスしていたとは驚きです(調べるまで知らなかった)。しかもグラミー賞を受賞しているような、大ヒットソングをやってしまうのだから、これまた驚きです。

ちなみにこのリミックスにはGil Scott-Heronの楽曲である”NY Is Killing Me”(上記のリミックスではなく原曲です)のクラップ音がサンプリングされております。原曲のほうの”Rolling In The Deep”(ローリングインザディープ)は、生音主体で最小限のアコースティックな雰囲気に、Adeleの負の感情が爆発した名曲ですが、こちらのリミックスはほぼビートとパーカッションにAdeleの声だけという非常にシンプルで、よりダンサブルな構成になっています。

“You Got The Love”

ロックやソウルなど、様々なジャンルを含んだ音楽性で知られるFlorence+The Machine(フローレンスアンドザマシーン)のリミックスもクールなので、ぜひ聴いておくべきです。彼の所属しているグループのボーカリスト、Oliver Sim(オリバーシム)が参加しているため、一応The XXのリミックスワークということになりますが、サウンドプロダクションにおいてはJamie XXのリミックスワークとして捉えることもできるので、便宜上この記事で扱わせていただきます。

彼のグループは、女性ボーカルとしてRomy Croft(ロミークロフト)がいて、男性ボーカルとしてOliver Sim(オリバーシム)がいるので、男女のボーカルの対比が非常に面白い具合に表現されています。このリミックスワークでもOliverが参加し、原曲の女性ボーカルとのうまい対比が、原曲にはない雰囲気を生み出しているようです。

“Sunset”

Jamie XXによるThe XXの(ややこしいですね…)リミックスも外せないので紹介しておきます。つまりThe XXというグループとして作った曲を、改めて彼自身が作り直している楽曲、であるということです。

やはりUKのダンスカルチャーに造詣が深いこともあって、原曲よりもよりベースやビートといった、低音に重きを置いた楽曲に仕上がっていますね。ちなみにこのJamie XXによるセルフリミックスは他にもたくさんあるので(On Hold“は必聴)そちらも聴いてみてはいかがでしょうか。よりDJセットに馴染む、クラブライクな仕様になっています、めちゃくちゃカッケー。

 

終わりに(DJプレイも紹介)

The XXはバンド形式にもかかわらず、Jamie XXがビートプログラミングを担当していて、ドラマーではなくドラムマシンを叩くという特殊な形態であるのです。したがって彼自身は、バンドというよりも、DJなどのクラブカルチャーに近い感覚を持ったミュージシャンと言えます(まぁ彼の曲を聴けばすぐにわかりますが)。

最後に彼のDJパフォーマンスについても言及しておきましょう。上記の動画は、Jamie XXがアイスランドの首都であるレイキャビクで行ったDJプレイです。なぜ、アイスランド?と感じた人も少なからずいると思うので一応記しておきましょう。アイスランドはSiger Ros(シガーロス)といったポストロックバンドから、Bjork(ビョーク)といった世界的スターを代表として、良質な音楽を多く輸出している国として知られています。

このDJパフォーマンスはBoiler Room(ボイラールーム)という、ミュージシャンのライブやDJプレイをアーカイブ化するサービスが配信したもので、他にも、彼の所属しているYoung Thurks(ヤングタークス)がロンドンで行ったDJプレイを配信していたりするので、興味がある方は、そちらも合わせて、ぜひご覧になってください。

 

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