ビートルズのアルバム別おすすめ曲|後期編(1968~1970)

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みなさん調子どうですか、こんにちはです。

▶︎この記事は後編です、まずはこちらの前編こちらの中編をご覧ください。

ビートルズの後期の概略(1968〜1970)

最重要トピック.メンバー間の亀裂が顕在化

彼らのマネージャーであるBrian Epstein(ブライアンエプスタイン)の死は、4人の仲をうまく取り持つ人物の不在をもたらしました。さらに、Lennon=McCartney(当時の楽曲はこのようにクレジットされていた)のソングライティングに光が当たるようになると、その他の2人に対する役割が軽んじられるようになり、段々と彼らの人間関係に亀裂が芽生え始めます。

Paul McCartneyの担当楽器はベースでありますが、同時に類稀なるマルチプレイヤーであったので後期以降は、ベース以外にもドラムやギターなどを自前で演奏するようになり、そのことがドラマーであるRingo Starr(リンゴスター)にとって面白くないことであったのは、言うまでもありません。後期以降、彼はビートルズにおいて、自分の居場所を失ったように感じ続け、常に自分が必要なのかどうかという葛藤に駆られていました。

George Harrison(ジョージハリスン)も自身の楽曲をコンスタントに制作していましたが、2人の天才に注目が集まり続けていたため、レコーディング中は常に3番手、補欠のような扱いを受けていました。実際にプロデューサーのGeorge Martin(ジョージマーティン)は、スタジオでは2人に付きっきりで、George Harrisonに対する対応がおろそかになっていたことを、後のインタビューで認めています。

最重要トピック.名曲も多いが、バンドとしての団結性を欠く

ビートルズの後期における活動において、”Let It Be”に代表されるような、現代でも名曲として認識されている作品も多くリリースしました。しかし、4人が一枚岩となってバンドサウンドを奏でていた初期および中期とは違い、後期は一応グループとしては存続していたが、それぞれが勝手に曲を作っているような「個人プレー」が多かったのも事実です。

“Let It Be”のレコーディングセッションを見ていただければわかりますが、Paul McCartneyはカメラ目線で決め込んでいるのに、John Lennonのコーラスは明らかにやる気がないように見えるし、George Harrisonもどことなく不機嫌な感じがします。

あまりにもバンドとしての精彩を欠いていて、それぞれが自由気ままにレコーディングを進めてしまうため、業を煮やしたプロデューサーのGeorge Martin(ジョージマーティン)は、愛想を尽かしてビートルズを置いて休暇にでるなど、ちょっとした事件も起きました。

また、アルバム「Let It Be」は、あまりにも人間関係の亀裂があらわになってしまった(それに伴い納得いく質のものに仕上がらなかった)ため、当初はお蔵入りになり、リリースが見送らるほどでした(その後に、世界最高のバンドである自負のもと再び集まり、レコーディングが行われ、最後のアルバムであるAbby Roadがリリースされた)。

最重要トピック.ライブが復活!そして解散…

人間関係の悪化に対するテコ入れのため、(バンドを終わらせたくなかったPaul McCartneyが主ですが)メンバーは新たな風邪を吹き込ませようと様々な努力をしてきました

例えば、George Harrisonは、Let It BeのレコーディングにBilly Preston(ビリープレストン)を招き入れます。ビートルズのレコーディングに外部ミュージシャンが起用されることは、かなり珍しいことでした。また最も代表的な例は、1969年にゲリラ的に行われたライブでしょう。これはビートルズが予告もなしに、スタジオの屋上で突如ライブを敢行するもので、中期以降、ライブ活動から引退した彼らの久々のラパフォーマンスを堪能できる、レアなライブとして知られています。通称ルーフトップコンサートと呼ばれています。

このように、彼らは人間関係の問題を少なからず認識し、色々な方法でそれを打破しようと試みました。しかしこれらの努力も虚しく、ビートルズは1970年、正式に解散してしまいます。

 

ビートルズ後期の押さえるべき曲

White Album(1968)

正式名称はセルフタイトルで”The Beatles”ですが、一般的にそのジャケットの色合いからホワイトアルバムと呼ばれているので、ここでもそう呼びます。ちなみに、白いジャケットにThe Beatlesとエンボス加工が施されたシンプルなアートワークは、イギリスのRichald Hamilton(リチャードハミルトン)によるものです。彼はアメリカのAndy Warhol(アンディウォーホル)に影響を与えるなど、ポップアートのパイオニアとしても知られています。

前作、Sgt. Peppersでは大仰なストリングスなど、若干やり過ぎた感があったと感じたようで、今作では一転して、シンプルなサウンドの楽曲が多くを占めています。また、2枚組と曲数も多く、幅広いジャンルを横断した非常に多彩な作品に仕上がっており、このアルバムこそが彼らの最高傑作と呼ぶ人も少なくありません。

と同時に、この作品からそれぞれが個人的にレコーディングを行うことが多くなり、バンドサウンドが鳴りを潜めていくことになります。

“While My Guitar Gently Weeps”

George Harrisonによる楽曲。ギターのパートは自身では表現し切れないと判断したため、親友であり当時のトップギタリストであるEric Claptone(エリック・クラプトン)によって演奏されました。ビートルズに外部ミュージシャンが起用された、数少ない例の一つです。

“Blackbird”

Paul McCartneyによるシンプルなアコースティック曲。当時1960年代は、黒人がその権利においてブレイクスルーを果たした年代であり、その流れを受けて、この曲はBlackbird(黒人の比喩)が羽ばたいていく様を表現した楽曲になっています。

“Dear Prudence”

John Lennonによる楽曲。最後のひと盛り上がりがカッコいい。

“Helter Skelter”

この曲をメタルの起源と主張する言説もありますが、そんなことは関係なく、ビートルズの中で最もヘヴィーで激しい名曲です。

 

Let It Be(1969)

彼らの人間関係が、亀裂を超えて既に終了していたような時期にレコーディングされた作品。当初のアルバムタイトルはGet Backで、先ほども書いたように一時はリリースが見送られました

しかし、なんやかんやリリースされ、今でもこのアルバムに収録されている”Let It Be”は、ビートルズを代表する曲として知られています。このアルバムは唯一プロデューサーがGeorge Martinではない人物が務めています(彼は愛想を尽かしていた)。

プロデュースを務めたのはPhill Spector(フィルスペクター)で、同じ楽器を幾度も重ね合わせルことによって重厚なサウンドを演出する、”ウォールオブサウンド”という手法で広く知られています。

“Across The Universe”

John Lennonによる楽曲。YouTubeで非公式にアップロードされている、90年代のロックスター、Kurt Cobain(カートコバーン)によるバージョンもカッコいいです。また、公式にはFiona Apple(フィオナ・アップル)などにもカバーされていたりします。カバー曲を聴いてみるのも面白いかもしれません。

“Get Back”

当初このアルバムのタイトルは、この曲から取られて”Get Back Sessions”と呼ばれていました。歌詞中に出てくる「jojo」という人物は、John Lennonのことを指していると言われ、メンバー間の関係性が重大な危機に陥っている状況で、もう一度再起しようと呼びかけています(残念ながら再起は叶いませんでしたが)。

“Let It Be”

言わずと知れた名曲。誰もが知っているビートルズソングといえば”Let It Be”を思い浮かべる人も多いかもしれません。Mary(メアリー)という女性が「なすがままに」と語りかけたという、Paul McCartneyの夢をベースにして作られた楽曲で、Maryはキリスト教の聖書に出てくる聖母マリアを指していると同時に、亡くなったPaul McCartneyの母のことを指していると言われています。

ちなみにGeorge Harrisonが演奏するギターソロは、シングルバージョンとアルバムバージョンの2種類があり(動画はアルバムバージョン)、圧倒的にアルバムバージョンの方がカッコいいです。

“I’ve Got A Feeling”

“A Day In The Life”と同様に、John LennonとPaul McCartneyの両方がボーカルを取る珍しい曲の一つです。日本のアニメ”BECK”(ベック)でもカバーされていますね。数あるビートルズの中でもこの曲をセレクトするのはセンスがGOOD。

 

Abbey Road(1970)

アルバムの発売順でいうと、「Abby Road」→「Let It Be」の順序ですが、一度ゴタゴタで「Let It Be」のリリースがお蔵入りになっているという事情があるので、実際の順番(つまりレコーディングされた順番は)「Let It Be」→「Abby Road」な訳です。なので実質のラストアルバムは「Abby Road」ということになります。

「自分たちは世界最高のロックバンドなのだから」という自負のもと、もうバンドをこれ以上存続させるのは不可能だろう、という最悪の状況の中、再び踏ん張ってレコーディングされたアルバムです。Lennon=McCartneyはもちろんのこと、George Harrisonがその才能を開花させ、さらにはドラマーのRingo Starrも”Octpus Garden“でボーカルをとるなど、最後の最後で、「The Beatles」という最高峰のバンドとして、これ以上ない完璧なサウンドを作り上げたのです。

世界最高のロックバンドなら世界最高の場所でジャケットの写真を撮るべきだ!というバカみたいなアイデアが飛び出し、一時、「エベレストの頂上で撮影しよう」という話になりました。しかしメンバーはこれに同意せず、「スタジオの前でパパッと撮ろう」と提案。かくして、ロックの歴史における最もアイコニックなアートワークが作られたのです。

“Come Together”

50年代の黒人ロックスターであり、John Lennonにロックンロールが何たるかを教えたアメリカのロックスター、Chuck Berry(チャックベリー)による”You Can’t Catch Me“は、この曲に歌詞やメロディーの一部を盗用されたと裁判を起こしています。

と言っても、楽曲の著作権所有者が勝手に起こしたもので、Chuck BerryとJohn Lennonの関係性がこの訴訟によって、特別悪くなるということはありませんでした。後にJohn Lennonがリリースしたアルバムに、パクリ元とされる楽曲をカバーすることにより、この件は和解しました。

“Something”

George Harrisonという男は非常に苦労人で、ビートルズで活動した8年間は常に天才的なソングライターの影に隠れていました。しかし、後期では彼もソングライティングの才能を開花させ。今作では自身が作詞作曲した”Something”が、Lennon=McCartneyを差し置いて、A面のシングル曲としてリリースされました。

MVに出てくる女性は、それぞれメンバーの当時の妻です。一番可愛いのはGeorge Harrisonの妻であるPattie Boyd(パティボイド)で、圧倒的にブサイクなのはオノヨーコ。

“Here Comes The Sun”

こちらもGeorge Harrisonによる楽曲です。今作で最も意欲的な曲を送り込んだのは間違いなく彼でしょうね。ちなみに曲の後半には、当時珍しかったシンセサイザーが使用されています、彼らがいかに時代の最先端をひた走っていたかがわかりますね。

“Golden Slumbers~The End”

アルバム後半の、「Golden Slumbers」→「Carry That Weight」→「The End」の三曲はPaul McCartneyによるメドレーになっております。今作のハイライトだと思うのでここは必聴です。

 

ビートルズ後期のまとめ

8年間という束の間の活動。解散後、それぞれがソロでも活躍

以上、前編中編、後編と三回に分けて、ビートルズのスタジオアルバムからそれぞれのオススメ曲について紹介しました。彼らのビートルズとしてリリースされた楽曲は200を超えますが、それに対する活動期間は、1962年のデビューから1970年の解散まで、たったの8年しか無いのです。その僅かな時間の中で、現代でも聴かれるような名曲、時代を追うごとに輝きを増すような名盤が数多もリリースされました。その事実だけでも、ビートルズが素晴らしいバンドであることの明らかな証左になると言えます。

そして、ビートルズというグループが無くなった後も、Paul McCartneyはWings(ウィングス)というバンドを結成し、いくつものヒットを連発。John Lennonもニューヨークに拠点を移し、(問題も起こしつつ)”Imagine”のような名曲をリリースし、死後もロックのアイコンとして語り継がれています。そして何よりも興味深いのは、常に天才二人の影に隠れていたGeorge Harrisonが、解散後すぐにソロアルバム”All Things Must Pass”をリリースし、メンバーの誰よりも早く全米No.1を獲得しているという事実です。

Ringo Starrはいい人そうだから楽しくやっているはずです。それでは!

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